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Halcyon Days

『るろうに剣心』 『フルメタル・パニック!』 の二次創作を
メインとする一個人のファン・サイトです。
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畠中恵 『アイスクリン強し』 読了

明治23年の東京を舞台に、主人公の真次郎、その親友の長瀬、マドンナの沙羅を中心に、西洋菓子にまつわるようなあまり関係ないような短編の連作集。各章のタイトルに菓子名が入っているのですが、話の中心になっているのは特にそのお菓子というわけではありません。

直接的に菓子が重要になっているのは「チョコレイト甘し」くらいです。菓子や料理がいろいろと出てきて、実においしそう。といっても、お家騒動に真次郎が巻き込まれるのが主体です。

「シュウクリーム危うし」では、貧民窟という文明開化という華やかさから取り残された影の部分を取り上げています。さらに小麦と戦争の関連性という意外な話に発展します。「アイスクリン強し」も、社会情勢の不安と報道の自由を守るという本題があります。数年後に起こる日清戦争が見え隠れして、少し苦い話でした。

「ゼリケーキ儚し」は当時流行していたコレラを扱っていて、ゼリーケーキはほとんど関係ありません。真次郎と若様組がコレラの対策に追われている様子と、沙羅の見合いの様子とを交互に描いていましたが、それぞれ独立させて別々の話に仕立てたほうがよかったのではないでしょうか。沙羅の心情が一番出ていたので、彼女を主役に据えてしっかりと描いていたら、より魅力的なキャラになったでしょうに。それにコレラのほうは解決が見えたところで終わっているので、後日談が欲しかったです。

そして「ワッフルス熱し」で少し軽めに真次郎の店や長瀬たち若様組たちの今後が少し明るくなる様子を見せて完となります。

明治という西欧化への過渡期の日本が舞台となっていて、時代背景が好みです。この頃の和洋折衷って、外からの文化を上手いこと取り込んでいく日本人ならではの、適応能力の高さを垣間見せてるように思います。けれども江戸時代をまだ引きずっている微妙な時代でもあります。扱うには難しいでしょうが、西洋菓子を介して上手く取り上げてると思います。

ただ、真次郎の特殊な育ち方の詳しい事情とか、長瀬や沙羅とどうやって知り合い仲良くなったのかとか、その辺がまったく不明なのがちょっと不満です。そこは続刊に期待したいです。

以下3冊も読了してます。
『ころころろ』 『とっても不幸な幸運』 『アコギなのかリッパなのか 佐倉聖の事件簿』
   
感想は割愛。メモしとくの忘れました。
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梶原 千早
隠れオタクの同人女です。
愛犬とジャニーズが癒し。
趣味は読書で、小説とマンガが好き。ジャンルはSF、ファンタシー、ミステリー、アクションなど。
最近、カルトナージュを習い始めました
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