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Halcyon Days

『るろうに剣心』 『フルメタル・パニック!』 の二次創作を
メインとする一個人のファン・サイトです。
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有川浩『海の底』読了

巨大ザリガニに襲われた横須賀の状況を描いたSFパニックものです。巨大化した甲殻類なんて、怪獣特撮ドラマかB級ハリウッド映画みたいですが、安っぽさはぜんぜんありません。『空の中』同様に1つあり得ない設定を据えて、その他すべてが徹底して現実的なので、実にリアルです。それに冒頭でいきなりザリガニ来襲のため、拒絶反応をもつ間もなくストーリーに引き込まれて、メインの人間ドラマに夢中になりました。

話は、陸上で攻防にあたる警察のサイドと、停泊中の潜水艦に閉じ込められた自衛官の青年2人+民間人の子供13人のサイドとを、交互に平行して進みます。

警察サイドでは、職業意識の高い警官たちがまさにプロの仕事をします。貧弱な装備のまま命がけで敵に立ち向かう機動隊員。出動したくてもできない自衛隊を出動させるべく策を練る対策本部。どちらも、法律の縛りや各機関の縄張り、上層部の及び腰などなど、様々な制限がある中で、最善の結果を出すためにそれぞれのできる範囲で精一杯に尽力します。とにかく格好いい大人たちばかりです。

潜水艦サイドでも、自衛官の夏木と冬原という大人(といってもまだかなり若い)がやはり格好いい。救出されるための努力を続けながら、子供たちの面倒もみなくてはならないのですが、その子供たちへの接し方がいいのです。甘やかすことなく、厳しいことを(特に冬原は必要があればかなり辛辣な言い方で)言いながら、保護する側の者としての立場をきちんと取っています。

また、子供たちは同じ町内の知り合いであるために、日頃の派閥や確執が持ち込まれ、狭い空間の中でその問題が浮き彫りにされます。しかしそれが、日常とは異質の状況や夏木と冬原の影響により、少しずつ変化していきます。子供たちが自分の心と向き合って成長していく様子もとてもよかったです。

それからちょっと甘めのラストシーンは、有川さんならではという感じでした。
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梶原 千早
隠れオタクの同人女です。
愛犬とジャニーズが癒し。
趣味は読書で、小説とマンガが好き。ジャンルはSF、ファンタシー、ミステリー、アクションなど。
最近、カルトナージュを習い始めました
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