Halcyon Days
『るろうに剣心』 『フルメタル・パニック!』 の二次創作を
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有川浩『空の中』読了
2010 / 05 / 01 (Sat) 小説 ・ マンガ
話は人類の代表としてUMAと交渉する空自の岐阜基地の様子と、たまたまUMAを拾って懐かれた高知の高校生とその周辺の様子とを、交互に平行して進みます。この対比がおもしろい。大人たち(岐阜基地で交渉にあたる大人たちに限りますが)は俯瞰的、大局的な見地から穏やかに粘り強く確実に交渉を進め、他所からの横槍で交渉が決裂しかけたときにも間違いをきっちり修正していきます。一方、子供たちは主観的、局地的な考え方に偏り、不安定な情緒のままUMAに接して、感情の爆発をUMAにぶつける間違いをした後もさらに惑うばかりとなります。小説に限らず創作物ではとかくみっともない大人と活躍する純粋な子供という対照になりがちなので、高巳を代表とする大人サイドが格好いいのは重要かと思います。
ストーリーだけでなくキャラクターもそれぞれ魅力的です。特に宮じいは秀逸でした。最低限の素朴な言葉で最大限の思いを子供たちに伝え、その語りかけは厳しくて優しい。だけど、だから、心に響きます。こういう大人が身近にいれば、子供は間違った後にきちんとやり直しができるようになるんでしょう。間違ってもいい、間違ったらそれと認めて謝る、って単純だけど真理です。でもそれをきちんと教えられる大人はなかなかいません。現実を見回すと、その場限りの耳障りのいいことしか言わないような大人ばかり(自分を含めて)だったりしますから。
ただ、個人的には「仁淀の神様」は蛇足という気がします。ちょっとやりすぎというか……。その是非は好みの問題としておいておくとして、とにかく本編はとてもおもしろいSF小説でした。
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梶原 千早
隠れオタクの同人女です。
愛犬とジャニーズが癒し。
趣味は読書で、小説とマンガが好き。ジャンルはSF、ファンタシー、ミステリー、アクションなど。
最近、カルトナージュを習い始めました
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